獲物

師匠の住む街から 私の住む街までは車で30分ほどかかる。

帰る途中次の日が桃の節句だったため

道の駅でも桃の花を買いたいと思いつく。

長靴をはいたまま 車をおりて 桃の花を買い

車に乗り込むと、携帯が鳴る。

師匠から、備え付けたカメラに鹿が写っていると。鹿だったら上手く行けば罠が発動するかもしれないと。

しばらく、駐車場で話して手元の時計をみると14時半。

そして ふたたび師匠から 今度はイノシシがきていると連絡がはいる。

流石である。

罠をかけた場所にこんなにも多くの動物が来るなんて。と 他人事のように関心する。

そして一言

「今、かかったみたいだ」と。

その日の日没は17時35分

 

迷わず、師匠のもとに引き返した。