フィールドデビュー

師匠と予定を合わせては 毎週のようにフィールドにでた。

まずは師匠がかけた罠のポイントの見回り。

罠免許も取得したため

これもとても勉強になった。

足跡の味方、イノシシのヌタ場と掘り起こしの実態。

実際に目の当たりにすると

彼らの行きている姿が少しずつ見えてくる。

 

そして その地域の猟友会の会長にも引き合わて

いただいた。

そう、物事には筋が通っていなければならないのである。

 

そして 3回目の山歩きにいよいよ 生き物に向けて引き金をひくことになる。

 

山の奥にある古い田んぼの跡地に

たくさんのカモがいるポイントまで連れて行ってもらう。

一斉に飛び立つカモに 銃口をむけ初めて引き金を引いた。

一瞬のことだったが 今でも鮮明に覚えている。

彼らはあざ笑うように私の頭の上を一周して飛び立って行った。

 

悔しいけど、なんとも言えない気分にしばらく

銃を抱きしめてぼーっとする。

 

師匠が笑いながら たくさんいましたね。と

 

これが私の フィールドデビューの話