罠をかける

狩猟の回数を重ねるごとに

その地域の地形や生息する生き物の種類がわかってきた。

はじめてみる 塒や餌場には独特の臭いと痕跡があり 見るたびに緊張した。

 

実は 暇さえあれば山をのぼっていた私だが、

野生の動物に山であったことはほとんどない。

 

飼いならされてるような鹿🦌とうさぎぐらい。

それ以外の動物にであったことがない。

 

しかし、味方を変えるだけで

直ぐ側に生き物が生息していることを学んだ。

 

森とは 動物たちの生きている場所なのである。

狩猟できなくてもすべてのことが私には新鮮だった。

 

そんなある日

師匠が罠をかけるが一緒にやるかと誘ってくださる。

猟期の終了期日が迫っていたため

まだ収穫のない私に気を使ってくれたのだろう。

いつものように 山歩きをしたあとに

師匠のとっておきの場所に罠をかけさせてくれた。

天気は生憎の雨。

それでも、せっかくだからと ドロドロになりながら師匠が3つ、私が2つ罠をかける。

罠は自分でかけるのは初めて。

見学はしたことがあったが一通りかけるのははじめてであった。

それでも、なんとか仕掛けでその日は終了。

楽しみにしながら帰宅する。

もう気分は明日の朝にかかっている気分(笑)。

しかし、翌朝 カーテンを開けると 真っ白に雪が…。

しかもどっさりと。

罠は雪が積もると発動しない。

これも 運  そう簡単には行かない。

しかたなく また いつものように師匠とポイントを周り、その日も何事もなく帰宅するはずだった…。